kiicha51のブログ

NEWS大好き。香港からの留学生。日本語勉強中。

インスタの余白

 

 

とある気怠い土曜日のことである。

 

斜陽は電車がまだ来ないうちにホームドアのガラスを通過した。のんびりと、自然の分子が入り込んだ。機械により調節した空気も傲慢を捨てずにはいられなかった。

 

夕陽に照らされたスマホの画面は暗くなったが、持ち方を変えると自動で明るくなりはじめた。まるで命を与えられたように、逆光の中でも必死に生きられる。もしくは、心を読めるように、電車が来るまで時間潰しを私に与えた。一体誰のために生きてきたの?

 

いつものようにインスタのプロフィール欄を開いて、憂鬱なふりをして書いてあった歌詞を削除した。その代わりに、より寂しそうに見える余白が残されていた。この言葉を書き直したい時には、名もなき悲しみに襲われたこともなく、ただ習慣に迫れられた。直らない癖だ。本当の自分にとっては、単なる上から目線の傍観者に過ぎない。自分のことなんて到底わかっていない。

 

余白の上に輝いている黒い線に視線を奪われて、指はキーボードに何センチ離れて動けなかった。

 

「すみません。電話の出方教えてもらえる?どう押しても反応しないわ。」

 

眼前の画面はとっさに二分に割られて、右に入り込んだのは見知らぬ一面の真っ緑だった。ひたすらに上へ突進する点線たちが焦っている矢印になって目立ったが、残念なことに主役に気づかれなかった。そこで、何も知らなかった私は無意識に、可哀想な矢印に作られたリズムに合わせて指を上下に移動した。

 

待ちわびた矢印がやっと持ち上げられた。このちょっと年取った女の人のために生きてきたのかな?無視された悲しい経過を自己紹介欄に書くのかな?目線を自分のスマホに戻したら、微睡に落ちていたモニターが目に映った。不憫な矢印たちにマウントを取るように。

 

「どうしてまだ反応しないの?」

 

画面には四桁の数字が表示されて、その中の一桁は上へぴょんぴょんと飛び跳ねはじめた。初登場だったせいか、数字たちはオロオロしていた。その時、私はあの矢印達が放った遺言を聞こえたみたいに、あの女の人に伝えた。

 

「もう出たよ!」

 

スマホをぱっと顔に近付かせ、長い時間に待っていた向こう側に私が理解できるわけがない言葉がぺらぺらと喋り始めた。この場面をなんと可愛く見える自分がいた。

 

列車はゆっくりと駅に着いた。無機質な壁は私からここに溶け込んだばかりの光を分けたり、さっきまでソワソワしていた女の人も離れさせたりした。まだ仮眠しているスマホを持ち上げて、車内に移動した。それでも何を打ち込めばいいのかさっぱりわからなかった。

 

自然、科学技術、人類。なんでも知っていると私たちはそう思い込んでも、何もかも分かっていなかった。

 

余白をはっきりさせないまま家に帰った。暫く片付けてソファーに転んだら、また自分のインスタを眺めていた。いきなりだけど、右側に馴染みのない画面が再び現れられた。

 

「どうしてこのスタンプを保存できないの?」

 

お尻のイラスト。これは母ちゃんの悪趣味かどうかはわからないが。私には何にもわからない。長い指に力入れてお尻を押していた。あのお尻は仕方なく無言で受け入れた。

 

乱暴な差し指を追い払って、あの一片の肌色を優しく撫でていた。文字が吹き出してから、お尻ちゃんはもう母ちゃんのスマホに移住した。それっていい事なのかな。

 

彼女たちにとって、私の自己紹介欄には「スマホの達人」という文字が明確に刻まれていただろう。しかし、生まれてから電子製品を使い慣れたこの世代には自慢できるようなことではなかった。スマホをうまくいじれる事より、他人に手伝いを求められる方が上手かもしれなかった。

 

で、あの余白は、未知に満たされたままでいいや。

 

-

這是個傭懶的星期六。

 

列車還未到站。斜陽趁這空檔穿透玻璃幕門,大自然的粒子悠然灑進。由機械調節過的空氣,也不得不放下自以為高人一等的傲慢,與其共處在同一空間。

 

電話屏幕在餘暉下黯淡無光,換個角度,卻會自動調亮,彷彿擁有了它的生命,在逆光下尚能掙扎求存;又彷彿能讀懂我的心,為我在侯車時能繼續打發時間——它到底為誰而活?

 

我如常地點開了instagram的自我介紹一欄,刪掉了本來想耍點憂鬱的一行歌詞,換來的卻是更顯寂寥的空白。每次改寫這一串句子,也並非有甚麼無名的悲慟突然襲來,只是一個習慣,或許是一個壞習慣。在真正的自己面前,我只是一個裝作高高在上的旁觀者,但我根本不認識我自己。

 

我的視線凝結在那片空白上閃閃爍爍的黑色直線,手指懸在鍵盤上幾厘米的空中。

 

「不好意思,你知道我能怎樣接電話嗎?我怎麼按也沒反應。」

 

映在我眼裏的畫面兀的一分為二,一片綠油油塞到了我的右方,最奪目的是一隻往上盲闖的幾條虛線,形成了看來十分焦慮的箭嘴形狀,可惜主角未能理解它們的急躁。而我,一個亳不相關的路人,卻在潛意識間讓本來架在自己手機上的食指,頻頻跟著可憐的箭頭所舞動出的節奏,上下撥弄無辜的空氣。

 

那上了年紀的女人慌忙撩起那串等候已久的箭嘴。它們也是為這女人而活嗎?若它們要為自己寫個自我介紹,可會心酸地寫出自己如何被無視?我把目光放回自己的屏幕時,欲只見它已安心地進入了淺眠狀態,似是在向那堆可悲的箭頭下著戰書一般。

 

「怎樣還是沒有反應?」

 

畫面上的四位數,有個數字開始慢慢往上跳動,或許是初次登場,它們也手足無措。這時,我彷彿聽得箭頭們的遺言,並幫它們傳話:

 

「已經接通了!」

 

女人馬上把手機貼到臉龐,開始回應那相信同樣也等了許久的另一方,口中說著一些我無法掌握的內容。這樣看著,竟覺得有點可愛。

 

列車緩緩駛進,隔走了才剛融入環境的光束,也隔走了剛才仍很迷惘的女人。我舉著淺睡的手機,走入車廂,仍是想不出該打些甚麼。

 

自然、科技、人類。我們怎麼總覺得自己得悉一切,卻其實是一無所知啊。

 

留著不解的一抹純白回到家中,整頓好一切後,我又坐在沙發上盯著我的instagram。忽然,又有一個我不熟知的畫面在我右邊出現。

 

「為甚麼我儲存不了這張貼圖?」

 

一個屁股的貼圖。我不知道這是否媽媽的惡趣味,我甚麼也不知道。只見她的手指用力長按在那屁股之上,而那屁股,也只能無奈一直被按,一言不發。

 

我撥開她暴力的食指,輕輕拍在那肉色上,彈出了一堆文字後,那屁股就移居到媽媽的手機去了。到底這算不算好事呢。

 

或者在她們眼中,我的自我介紹上洋洋灑灑地刻上了「科技達人」的四個大字吧。然而,我們這些科技世代,只能算是舉手之勞;或許比起擅長運用電子產品,我更擅於被途人請教吧。

 

至於那片空白,就由它保持未知的樣貌好了。